イームズ・シェルチェアの張替え
春の日差しが強くなるころですが、新年度が始まりましたね。多くの会社では、人事異動や新入社員を迎えるなど新しいものに出会う季節ですね。
今日は先日張替えをさせて頂いた、椅子について書いていきます。
写真の椅子は、ハーマンミラー社製シェルチェアといいます。
約50年前に購入されたもので、ベースはキャスター、座面はFRPにて成形がされています。現在でも多くのメーカーからリプロダクトが製造されていますが、オリジナルはなかなか見かけることは少ないです。
さてこの椅子。今回はお受けしましたが、通常お断りしております。その理由はお客様の希望と異なる仕上がりになる可能性があるためです。
シェルチェアは、ゴム淵に生地をミシンで縫い付けてあります。そして、その状態でFRPに固定されています。
しかし、経年劣化でゴムが硬化して割れたりすると修理部材が一般流通していないため、治せないのです。ミシンで縫うということはゴムに針穴をあけて留めていくという作業なのです。
そのため、接着剤で留めるのですが、縫う場合とはどうしても異なってきます。外観や普通に使っていただく事に問題はありませんが、さすがに50年は持ちません。
もし、適切な部材がみつかれば、しっかり元も状態でお直しが出来るようになるのでその時はお知らせできればと思います。
今年度も、様々な椅子たちとの出会いが待っていそうです。